kintone開発を外注すると費用はいくらかかるか

「うちのkintone、そろそろ人に頼んで作り込んでもらいたい。でもいくらかかるのか見当がつかない」——このような悩みは、総務や情シスを兼任しながらkintoneの管理を任されている担当者に共通するものです。

結論から先に言うと、サイボウズも各パートナー企業も、外注開発費用の一律な金額目安を公表していません。あるのはkintoneというプラットフォーム自体の利用料(ライセンス費)だけです。開発費とライセンス費は別物なので、まずここを分けて考える必要があります。

プラン月額(税抜・1ユーザー)最低契約人数
ライトコース1,000円10ユーザー
スタンダードコース1,800円10ユーザー
ワイドコース3,000円1,000ユーザー

この金額はあくまでkintoneを使う権利の料金で、アプリを作り込んでもらう作業費はここに含まれません。作業費がなぜ一律に出せないのかは、次の章以降で説明します。

自社ならどのプランで足りるか、導入前に無料で相談できます。要件を整理するところから一緒に確認しましょう。

外注先の種類(開発会社・個人開発者・伴走支援)と特徴

サイボウズはパートナー相談窓口を通じて、大きく5種類のメニューを案内しています。

kintoneパートナー相談メニュー5種類の一覧

フリーランスの個人開発者に直接依頼するという選択肢もありますが、こちらは公式の窓口を通さない取引になるため、料金相場や見つけ方についての公式な情報源は確認できていません。安さだけで選ぶと、後述する「実績」や「保守体制」の確認が甘くなりがちなので注意が必要です。

相場感が数字だけでは分からない理由(要件次第で変わる)

なぜ金額の目安が公表されていないのか。理由は大きく2つあります。

1つ目は、定額開発というメニュー自体が「決められた時間・金額の範囲内」という前提のサービスだからです。範囲を超える開発は個別見積りになると明記されており、そもそも「何を作るか」が確定しない限り金額も確定しません。またスピードと料金を重視する分、仕様書やマニュアルが納品されないケースが多いとも案内されています。

2つ目は、kintoneの拡張方法自体が2系統に分かれているからです。

カスタマイズ開発とプラグイン・連携サービスの費用構造比較

同じ「請求書を自動で発行したい」という要望でも、カスタマイズで作り込むかプラグインを組み合わせるかで費用の発生の仕方がまったく違います。だから「相場はいくら」と単純に聞かれても、外注先は答えようがないのです。

実案件で分かった落とし穴の例

自社のリード管理アプリをkintone REST APIで構築した際、ボディを持たないGET・DELETEリクエストにContent-Type: application/jsonを付けると、CB_IL02というエラーで弾かれるという仕様上の落とし穴に実際に当たりました。これは公式ドキュメントを流し読みしただけでは気づきにくい類いの話です。

こうした「実装してみないと分からない仕様の癖」をどれだけ知っているかは、見積書の金額には現れません。次の章のチェックポイントで、この見極め方を具体的に説明します。

外注で失敗しないための5つのチェックポイント

金額だけで比較できない以上、依頼前に確認すべきことがあります。

  1. 実績と資格を確認する:サイボウズの「オフィシャルパートナー」認定には、導入実績2件以上、コンサルティングパートナーの場合はkintone認定資格アソシエイト保有者1名以上の在籍が条件になっています。認定後は年会費10万円(税抜)を負担してでも継続している企業かどうかは、一つの目安になります。
  2. 料金体系が「定額」か「個別見積り」かを確認する:定額開発は範囲を超えると別料金になります。どこまでが定額の範囲か、契約前に書面で確認しましょう。
  3. 成果物として仕様書・マニュアルが残るかを確認する:定額開発では納品されないケースが多いと案内されています。将来自社で運用・改修する予定があるなら、必須の確認事項です。
  4. カスタマイズかプラグインか、提案の方式を理解する:どちらで実現するかで初期費用と継続費用の配分が変わります。提案時にその選択理由まで説明してもらいましょう。
  5. 実装経験の厚みを見極める:CB_IL02のような細部の仕様の落とし穴を知っているか、過去の実案件でどんなつまずきがあったかを聞いてみると、経験の深さが分かります。

外注先選定の判断フローチャート

なお、サイボウズ自身も無料の「パートナー選定支援サービス」を用意しており、要望や体制をヒアリングした上でパートナーを提案してくれる仕組みがあります。外注先探しに迷ったら、この窓口を使う手もあります。

内製化と外注、どちらが向いているか

「まず自分たちで試してから決めたい」という場合、kintoneには開発目的限定の開発者ライセンスがあります。1年間無償で、更新も無償です。ただしユーザー数5人・ディスク容量25GB固定で変更できず、本番環境での運用やポートフォリオ・デモサイトとしての利用は禁止されています。

つまり、開発者ライセンスは「試作・検証用」であって、そのまま本番の業務に使い続けることはできません。小規模な検証で内製の手応えを確かめてから、本番導入は正式なライセンス契約に切り替える、という段取りが必要です。

社内にJavaScriptを書ける人がいて、少しずつ育てていく余裕があるなら内製検証から始める価値があります。逆に、決まった業務を早く形にしたい、保守まで任せたいという場合は、最初から外注を前提に動いた方が遠回りになりません。

まとめ:見積もり前にまず無料相談する

kintone開発の外注費用は、要件(カスタマイズかプラグインか)と依頼先の料金体系(定額か個別見積りか)の組み合わせで決まります。数字だけを追いかけるより、まず自社の要望を言葉にして、どのメニューが合うかを整理するところから始めるのが近道です。

導入前の疑問を相談する(無料)。自社の業務に合わせてどこから手をつけるべきか、画面を見ながら一緒に確認できます。